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つまらない?ハラハラが止まらない映画「ノーカントリー」感想・考察

今回ご紹介する映画です。

皆さんはギャング映画は好きですか?



私は非常に好みが分かれるものだと感じています。それは人によっては、グロい部分があってみられない人もいるからです。しかし、あのアウトレイジな役者の姿がかっこよくてたまらないという人もいますよね。


しかし、この映画に欠かせないことは映画の「緊張感」ではないでしょうか。見逃せない瞬間の連続でそれが癖になる人も多いと思います。




今ではそのような映画が少なくなってきましたが、昔はこのジャンルの名作がたくさん存在して
いました。



今回はその中でも私の中で一番だった作品をお伝えします。

映画「ノーカントリー」

https://eiga.com/movie/53088/photo/

あらすじ

ある日、動物を狩りに行ったモスは、偶然にも麻薬取引の現場を見つけてしまう。交渉が決裂し死体しか残っていない現場でモスは金が入ったスーツケースを見つけ、それを盗んでその場から逃げ出してしまう。

これによってギャングから狙われることになったモスは逃亡するのであった。一方でそんなモスを追跡するため、凶悪な殺し屋であるシガーが送り込まれるだった。



その2人の後を追いかけて現れた保安官のトム。何が起こったかもわからず、自分の想像外のことが目の前で起き続けることに戸惑いながらも、モスとシガーの後を追いかけていく。



お金を盗んだことによって追いかけるられることになったモス。目的に到達するためなら人を殺すことを躊躇しないサイコパスな性格を持つシガー。自分の理解が追いつかないまま追いかけるトム。



この3人の結末はどうなるのか・・・

いつ誰を殺すかわからないシガーが作る「静かな緊張感」

この映画の緊張感を作り出しているのが、圧倒的存在感のシガーですね。

この少しおかっぱの髪型に声はすごく野太い。彼の全ての人に対する一言一言に緊張感が走りました。このシガーを演じたのはハビエル・バルデムという俳優です。彼が作り出す空気感というものに心が支配されるのはこの映画の面白さの一つではないでしょうか。


特に圧巻だったのは、保安官の1人やモスの妻と対面したシーン。彼が死を選ばせるんです。フリップコインをして死を運に委ねたりする。人を殺すことに抵抗がなく、全く恐れない姿に私は恐れを抱きました。

第80回アカデミー賞において、作品、監督、脚色、助演男優の4部門で受賞


まさにギャングエイジ犯罪ドラマ。目の前には血だらけ。たくさんの人が死んでいくこの作品。


アカデミー賞受賞には、この世界観に大きなメッセージがありました。



この映画に関して監督を務めたコーエン兄弟自身が伝えていますが、シガーという人物はこの世界にある不条理や天災を表しています。



シガーは突然なんの前触れも理由もなく人を殺します。しかし、それは殺される側の人にとっては前触れのない避けられない災害の一つ。まさに運に委ねられる。



またコイントス一つで決まってしまう自分の死。しかし運次第では殺さないこともあります。まさに運に委ねられる不条理さ。



突然降りかかる暴力、不幸。



この映画で描かれているのは世界の不条理さです。現実の避けられない災害。勝てないもの。



そんな無慈悲な現実がこの映画には描かれています。



このアウトレイジな映画だからこそ隠される大きなメッセージがあるからこそ、世界から評価を受けた理由があるに違いありません。



ぜひ、その世界観を体験してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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