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【アカデミー賞】アンソニー・ホプキンス主演 映画「ファーザー」〜解説と感想・考察など〜

今回、ご紹介する映画です。

待ちわびました。アカデミー賞ノミネート作品を東京で唯一やっていた映画館で鑑賞してきました。人気作ということ、やっている映画館が僅かともいうこともあり満席でした。

簡単にいうと「最高」でした。


やはり世間から評価を受ける理由がわかるというか、アカデミー賞にノミネートされる作品だと納得させてくれる素晴らしい映画でした。


皆さんには本当に見ていただきたい作品の一つになりました。
それでは、深く語っていきたいと思います。



皆さんの映画選びの一部になれることを願います。

映画「ファーザー」

https://eiga.com/movie/94427/

あらすじ

ロンドンで一人暮らしをするアンソニーは、老いと認知症から記憶が曖昧なものになりつつあった。

それを心配していた娘のアンは、自宅介護を手配することを勧める。しかし、アンソニー自身は自身の老いを受け入れられずにいた。

頑なに断っていたアンソニーだったが、アンソニーの目の前に広がる世界はおかしなことになっていた。

家には見ず知らずの人が現れたり、アンともう1人の娘・ルーシーがいたはずなのにその姿は見当たらない。

アンソニーの目の前に現れている世界と現実が全然合わなくなっていくのだった。


老いを受けられずにいるが、自分の変化に混乱していくアンソニー。


彼が最後にたどり着いた場所はどこなのだろうか・・・

新しい映像体験 これが老いた人に起こる世界

この物語は、老いによって記憶喪失していく父を中心にした家族の絆の物語です。
しかし、この映画は鑑賞者に新しい映像体験を与えてくれました。



何も理解していなかった私は、序盤の話の展開に「どういうこと?」と何度か思いました。

物語の視点は、アンソニーが実際に体験していることなのです。


つまり鑑賞者が感じる「どういうこと?」はアンソニーが感じていることです。


要するに、鑑賞者が「記憶が失われていく状態」を追体験できる構成になっています。




そうなんです。
これが私たちに与えてくれる映像体験です。

誰の立場の責められない現実をリアルに描く

このような立場の家庭ってたくさん存在すると思うんですよね。
もちろんそれに向き合う娘の気持ち、娘を愛する夫の気持ち、それぞれの立場があります。



表面ではやはり人間ですから、頑張って現状を受け入れて優しく接しようとするんです。

でも人間の本性はそれだけではないです。
アナやその夫の視点から考えれば「アンソニーがいなければ・・」と考えてしまうこともあるということです。

そんなそれぞれの立場にあったリアルな思いを赤裸々に描いています。

これは、たくさんの人が共感できるポイントの一つではないでしょうか。

若者が絶対見るべき作品

私は人の立場に立つことや高齢者の視点がとても貴重な気がしました。



私たちは普段生きるなかで、人間と接することは避けて通れないですよね。



特に若者たちは、老いよる体の変化を感じることはあまりなく、「老人」というくくりで高齢者に接することがほとんどだと思います。



だからこそ行動が遅かったり、高齢者にとってできないことが若者にとってはイライラを生むことはあってしまうことなのです。

だからこそ、この映画の新しい映像美は若者の多くには経験してほしいものだと思いました。

社会的にも価値ある作品ではないでしょうか。


私は最高でした。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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