英語でよく知られている学習法に「聞き流し」があります。
スピードラーニングという学習ツールが流行したことがきっかけで「聞き流すだけで英語を話すことができる」と話題になりました。
英会話学習を何もわかっていない人なら魔法のような学習方法は実践してみたいものですよね。
ですが、英語を聞き流すだけでは正直話せるようにはなりません。 断言します。
他のサイトで聞き流しの効果や方法を紹介している記事がありますが本当にやめていただきたいです。
ただし、聞き流しに近い方法で初心者でも取り組める方法があります!
今回は英語の聞き流しについて以下のトピックでシェアします。
● 英語の聞き流しとは?
● 聞き流しは効果があるのか?
● 聞き流しの効果がある学習者とは?
● 初心者は「多聴」がおすすめ
● おすすめの教材
・おすすめのリスニングの勉強法がわからない
・聞き流しの効果を知りたい
英語の聞き流しに疑問をお持ちの全ての人へ。この記事を参考にしてください。
英語の聞き流しとは?
英語の聞き流しとは、何かの作業をしながら比較的集中力を散漫させた状態で英語を聞くことです。
通学中に英語の教材を聞いたり、料理をしながら英語のラジオを聞いたりすることは全て聞き流しをしていると言えます。
何が聞き流しなのか具体的な定義は存在しません。
私の意見では言葉通り「英語を聞いてはいるが、それを受け流している状態」を聞き流しと定義できると思います。
英会話の聞き流しはリスニング効果があるのか?
果たしてこの聞き流し学習方法が本当に効果があるのか?
結論は意味がありません。
全員に意味がないというわけではありません。
でも間違いなく初心者には全く意味がないと言ってもいいでしょう。
何も理解ができない英語を聞き続けたところで成長を見込めません。
それは言語というよりも理解できない暗号を聞いているのと変わらないからです。
よくCMで「音を聞いているだけで話せるようになった」と謳った情報を聞いたことがあると思います。
あれは全くの嘘です。その教材は役に立ったとしても、それなりの時間と労力は必要です。
聞き流しが意味を成すポイントとしては「英語の音声を理解できるかどうか」です。
何も知識もインプットもない状態では時間無駄とも言えます。
聞き流しの効果がある学習者レベルとは?
私はある一定のレベルに達していない限り聞き流しの効果は得られないと思います。
そのレベルに達している学習者は以下の特徴があると考えます。
❶ 7〜8割の集中でも内容を理解できる
聞き流しでできる人の大前提は内容が理解できるかどうかです。
日本人が何かの作業をしながら日本のラジオを聞いても内容を理解することができますよね。
それと同じ感覚で英語を聞けるリスニング力がある人は聞き流しの効果があると思います。
相手が話すスピードに慣れたり、理解のスピードを上げることに効果があると思います。
❷ 発音を1音ずつ聞くことができる
どんな単語を発音しているのかを聞くことができれば聞き流しのレベルにあると言えます。
どんな言葉を発しているのかを聞き取ることで表現の幅を広げることができます。
教材を聞いている中で「こんな表現もあるのか!」と新たな発見をできる。
これが1番効果のある聞き流し学習の一つではないでしょうか。
❸ 英会話の単語・文法の知識がある
英語の知識がたくさんある人ほど聞き流しの効果を感じることができると思います。
ただしここでの知識は「コミュニケーションでアウトプットできるレベルの知識」を意味します。
ただ頭の中にインプットされた知識はリスニングには役立ちません。「アウトプットできない単語=聞けない単語」だからです。
ある程度英語でコミュニケーションが取れるレベルの人は聞き流しに効果があるといえると思います。
初心者におすすめの聞き流し勉強法
「多聴」
聞き流しは一定のレベルに達していない学習は意味がないとお伝えしました。
しかし、初心者向けに聞き流しに近いおすすめの学習法があります。
それは「多聴」という学習法です。
多聴とは?
リスニングする教材の単語の意味や内容を全て理解した上で何度も繰り返す方法。
同じ英語を何度も繰り返し聞くことで英語の聞き方を養うことができる。
聞き流しとの最大の違いは、英語の内容を分析するかしないかの点です。
初心者の最大の欠点は英語の内容を理解できないことにあります。
なので、あらかじめ理解して取り組むことでその英語を身につけることができます。
何度も繰り返すことで同じ表現が別の場所で使われたとしても瞬時に理解することができます。
多聴は以下のステップで進めていきます。
STEP ❶ 【教材の内容・単語・文法を全て理解する】
まずどの教材を多聴するのか決めましょう。その後、わからない単語や文法は全て調べて理解した状態にします。
ここで大切なのはわからないを放置しないことです。
STEP ❷ 【文章を見ながら何度も聞いて理解を深める】
STEP❶で理解した内容を深めるために、実際に文章を見ながら何度も聞いてみましょう。
ここでのポイントは調べた内容が体に染み付いているのかどうかです。ここで飽きるほど聞いてください。
STEP❸ 【何も見ないでひたすら聞く=聞き流し】
STEP❷の取り組みが深いほどこのSTEPの変化を大きく感じることができると思います。
何も見ないでただ聞くだけで内容を理解できる状態が多聴のゴールだと思います。
この状態までくるとその教材を聞き流す意味を成すはずです。
おすすめの英語聞き流し・多聴教材
私も英語の学習に多聴や聞き流しは取り入れていました。1番は気軽にできる勉強だと思います。
これまでの経験上、中級者以上のレベルの学習者は英語のラジオを聞き流しするのがおすすめです。
今ではポッドキャストを使えば無料で学習することができます。
初心者の多聴には絶対にYouTubeがおすすめです。最初は動画の字幕に頼って内容の理解を深める方が圧倒的に効率が良いです。
今ではオフライン再生も可能です。ラジオとして活用することもできます。
それぞれのおすすめを紹介します。
おすすめ聞き流し英語ラジオ: All Ears English
アメリカ人女性2人が時事ネタも交えて日常で使える単語・フレーズや英語学習のポイントを語り合いながら教えてくれる番組です。
英語学習者向けに易しい英語で話しているので聞き取りやすいです。
また自身の経験をもとに他の国との文化の違いやマナー、アメリカ人の考え方についても話しています。
飽きない話題で楽しく学習することができます。
おすすめ聞き流し英語ラジオ: TEDトーク
多くの学習者に馴染みがあるTEDトークです。
1番の特徴は、1つの題材に対して内容が濃いことです。学べる英語がたくさん詰まっています。
またスピーチ形式なので学びやすいという利点もあります。
今では学習用にガイドブックなどもあります。ぜひ上記を参考にトライしてみてください。
初心者向けおすすめ多聴YouTube
おすすめのYouTube教材については以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
【教材選びのポイント】
・英語・日本語字幕付きの動画
・3〜5分程度の長さ
・英会話で使えるシンプルな内容の動画
まとめ
聞き流しがここまで話題になった理由は楽をして英語を身につけられると思った人がたくさんいたからだと思います。
そのような方法はありません。
英語を話せる全ての人が地道な努力を積み重ねてきたわけです。
どんな学習も地道な積み重ねです。一緒に頑張っていきましょう。