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【徹底解説】『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』 キャストの魅力と作品への影響とは?

映画『ファンタスティック4:ファーストステップ』出演者【Getty Images】

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に、ついに「マーベル最初の家族」が合流。映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)は、4人のヒーローが特殊能力を得るまで起源だけでなく、彼らの人間関係と内面のドラマに深く切り込み、単なるアクション映画の枠を超えた傑作として公開直後から高い評価を集めている。

その成功の鍵を握るのは、現代のハリウッドを代表する豪華なキャスト陣だろう。

本記事では、彼らのキャリアと役柄がどのように絡み合い、作品にもたらした”人間味”と”深み”を徹底分析。MCUの未来を担う本作の魅力を余すことなく解説する。

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『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』キャスト徹底分析

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)の最大の魅力は、ヒーローチームが持つ超能力よりも、その前段階にある「家族」としての絆と、特殊能力によって生じる人間的な葛藤だろう。これを表現するため、マーベルは最高のファンタスティック4 キャストを選出したといえる。

リード・リチャーズ役:ペドロ・パスカル

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天才的な頭脳を持つチームのリーダー、リード・リチャーズを演じるのは、今や世界で最も多忙な俳優の一人、ペドロ・パスカル。『ゲーム・オブ・スローンズ』で一躍注目され、『マンダロリアン』や『THE LAST OF US』で確固たる人気を築いたパスカルだが、その人気ゆえに公開前は一部で「ペドロ・パスカル疲れ」という批判的な声も存在した。

「また彼か」「とりあえず人気俳優を起用しただけではないか」という先入観があったようだ。

しかし、パスカルは本作でその批判を完全に覆しました。彼は、リードの根底にある繊細な心情の機微を完璧に捉え、人気俳優としてではなく「演技のできる俳優」としての真価を示したといえる。

特に、作中で描かれる息子フランクリンの存在を通して、科学的な脅威から「家族を守る」という父性へと意識が変化していく様子は、なんとも人間味に溢れている。

また、私生活におけるLGBTQ+コミュニティへの積極的なサポート(トランスジェンダーの妹ラックス・パスカルの公的支援など)は、彼が持つ倫理観や優しさといったパーソナリティが、複雑な立場に置かれるリードというキャラクターに、深い共感を呼ぶレイヤーを加えたと言えるだろう。

スー・ストーム役:ヴァネッサ・カービー

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自分の身体を透明化し、強力なフォースフィールドを発生させるインビジブル・ウーマンことスー・ストーム。彼女は本作で、夫リード、弟ジョニー、友人ベンというチームを精神的にも肉体的にも支える『家族の心臓』として描かれている。この重要な役割を担ったのは、イギリス出身の実力派ヴァネッサ・カービーだ。

カービーは、Netflixドラマ『ザ・クラウン』で若きマーガレット王女を演じ、英国アカデミー賞(BAFTA)を受賞して国際的にブレイク。その後、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』や『ミッション:インポッシブル』シリーズでアクションもこなす一方で、主演作『私というパズル』では死産という悲劇に直面した女性の繊細な心理を見事に演じた。結果アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、ジャンルを超えた演技力を持つカメレオン俳優として知られている。

本作では、彼女の妊娠から出産、そして母親になるプロセスが力強く描かれ、最愛の息子と地球の運命を天秤にかけられるという、女性ヒーローならではの複雑な葛藤を表現している。

特に、彼女自身が撮影時に妊娠中であったという事実は、役柄に特別な説得力とリアリティを与え、観客に強い共感を呼んだ。彼女のキャリアが培ってきた強さと繊細さが、スーのキャラクターに決定的な深みを与えたと言えるだろう。

ジョニー・ストーム役:ジョセフ・クイン

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全身を炎に包み、空を飛び回るヒューマン・トーチことジョニー・ストームを演じるのは、ロンドン出身の若手スター、ジョセフ・クイン。彼の名は、Netflixの社会現象を巻き起こしたドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン4でエディ・マンソン役を演じ、劇中でのギター演奏シーンが大きな話題となったことで、一躍世界中にその名を知らしめた。

これまでの映像化作品において、ジョニーは「お調子者」や「チームのムードメーカー」といった比較的軽い役割で描写されることが主だった。しかし、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』では、その「お調子者ではない」、真面目で頭脳明晰なジョニー・ストームの一面にも焦点が当てられている。

この新たな一面を、クインは自然体でありながら説得力を持って体現した。その後のキャリアも目覚ましく、『クワイエット・プレイス:DAY 1』やリドリー・スコット監督の超大作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』など、話題作への出演が続いているクイン。

まさに彼が幅広い役柄をこなすカメレオン俳優として評価されている証であり、今後のファンタスティック4 キャストとしての活躍にも大きな期待が寄せられている。

ベン・グリム役:エボン・モス=バクラック

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宇宙線を浴びて岩のように硬質な肉体と化してしまった、ザ・シングことベン・グリム。リードの親友であり、チームの良心的な存在です。そんなベン・グリムを演じるのは、エミー賞を2度受賞した実力派エボン・モス=バクラック。

バクラックの名を広く知らしめたのは、ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン(原題:THE BEAR)』のリッチー役ではないだろうか。口は悪いが性根は優しく、不器用ながらもチームを支えるリッチーの人物像は、皮肉屋でありながら人間的な優しさを持ち、リードを陰から支えるベン・グリムと共通する部分が多くある。

また、バクラックはMCUではすでに『パニッシャー』のマイクロ役、スター・ウォーズ作品では『キャシアン・アンドー』に出演。実は、今作で2つ目のマーベルキャラクターを演じるという異例の経歴の持ち主でもある。彼が持つ「脇役としてシーンを攫う力」は、ザ・シングという存在に重厚な魅力を加えた。2026年春にはブロードウェイデビューも控えており、彼の今後の活躍にも引き続き注目が集まるだろう。

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MCUに重みをもたらすヴィランキャスト

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の成功は、主人公たちだけでなく、脇を固めるヴィランキャストの存在感も大きな貢献をしているのではないだろうか。

シルバーサーファー役:ジュリア・ガーナー

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シルバーサーファーという神秘的なヴィランを演じたのは、ドラマ『オザークへようこそ』のルース役でエミー賞を受賞し、カメレオン俳優として名高いジュリア・ガーナー。

本作では、彼女は感情を一切排除したような表情と声の抑揚でシルバーサーファーを演じ、その冷酷さが際立たせていた。さらに物語後半で描かれるキャラクターが変化する瞬間、あの繊細な表情の揺れこそ観客の心に大きく響いたはず。

ガーナーでなければ、映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)のヒューマンドラマは成立していなかったと言っても過言ではないだろう。

ギャラクタス役:ラルフ・アイネソン

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宇宙の捕食者ギャラクタスは、過去の映像化作品の中で、最もコミックの姿に忠実に再現されて登場した。そして、その恐ろしさをさらに強調したのは、イギリスのベテラン俳優ラルフ・アイネソンだ。

彼の重くて深いバリトンボイスは、ギャラクタスの持つ宇宙的なスケールと破壊的な存在感を完璧に表現している。アイネソンは、『ウィッチ』での宗教的な厳格さを持つ父親役や、『ヴァチカンのエクソシスト』での悪魔アスモデウス役など、その声が持つ「圧」と「威厳」を活かした役柄で知られてい流俳優だ。

また『ゲーム・オブ・スローンズ』などにも出演しており、その存在感は、MCUに新たなレベルの脅威をもたらしただろう。

『ファンタスティック4:ファーストステップ』ディズニープラスで配信開始

これまで世界中の人気を集めてきた、映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)だが、2025年11月5日よりディズニープラスでの配信が決定した。また、ディズニープラスでは、もちろんこれまでの『ファンタスティック4』シリーズを鑑賞できる。

映画館で鑑賞した観客からは「レトロフューチャーな世界観と、まっすぐなストーリーがかなり楽しめる」「今までにない家族のドラマとアクションの融合が最高」「MCUに正式合流したファンタスティック4、ここから観てもわかる最高の導入」と熱い声があがっている。

さらに今年は『キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)『サンダーボルツ*』(2025)、そして本作と、MCUフェーズの新章を告げる3作品が立て続けに登場。その先には、2026年12月18日公開予定の『アベンジャーズ ドゥームズデイ』(2026)が待ち受けている。

特に『アベンジャーズ ドゥームズデイ』(2026)を楽しむためにも、鑑賞必須の作品だろう。

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『ファンタスティック4 :ファースト・ステップ 』の豪華な布陣が示すMCUの未来

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)は、その豪華なキャスト陣の演技力によって、MCUの新たな方向性を示す作品となったに違いない。彼らは、単なるヒーローとしてではなく、弱さや悩みを抱える人間としてキャラクターを確立し、観客が感情移入できる普遍的な家族の物語を紡ぎ出してくれたといえる。

彼らがMCUにもたらすのは、強大な力ではなく、共感を呼ぶ人間的な魅力だった。この豪華布陣が、今後のMCUの「心臓」となることは間違いないだろう。今後のマーベル作品の動向も見逃せない。

coming soon・・・

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