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日本公開まであと少し…!『ウィキッド 永遠の約束』が描く完結への期待─ロンドンプレミア開催

映画『ウィキッド 永遠の約束』【Getty Images】

2026年3月に日本公開を控える『ウィキッド 永遠の約束』のヨーロッパプレミアが、現地時間11月10日にロンドンのレスター・スクエアで開催された。会場を埋めた観客たちの熱気からも、この映画への期待の高さがうかがえる。

プレミアに登場したアリアナ・グランデとシンシア・エリヴォは、揃って黒のエレガントなドレスをまとっていた。グリンダとエルファバ、対照的なふたりの魔女を演じてきたふたりが同じ色を選んだことには、深い意味があるのかもしれない。ジョナサン・ベイリー、ジェフ・ゴールドブラム、ミシェル・ヨーら豪華キャスト陣とともに、”イエロー・ブリック・ロード”を模したカーペットを歩く姿は、まさに物語の完結を祝う儀式のようだった。

また会場には、グリンダの王冠をつけたファン、顔を緑に塗った”エルファバ信者”が詰めかけた。コスプレというより、テーマカラーであるグリーンとピンクを取り入れた装いの観客も多く、作品への愛情が伝わってくる光景だ。

前作『ウィキッド ふたりの魔女』のあらすじ

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『ウィキッド 永遠の約束』(2026)は、『オズの魔法使い』の出来事と並行して展開される。”善良な魔女”となったグリンダと、魔法使いの親衛隊長に就いたフィエロは、オズの魔法使いの代弁者として人々に語りかける。その一方で、マダム・モリブルは虚偽を広め、エルファバを完全に葬り去ろうとする。だが、エルファバの戦いは終わっていなかった――。

前作『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)は、シズ大学で出会ったエルファバとグリンダが、最初は反発し合いながらも深い友情を育んでいく物語だった。緑色の肌を持つエルファバは強力な魔法の才能を持ちながら差別を受け、一方のグリンダは人気者だが自分の居場所を探していた。ふたりの運命が交差し、やがてオズの国を巻き込む大きな対立へと発展していく。

この前作は世界中で大ヒットを記録し、アカデミー賞でも作品賞、主演女優賞、助演女優賞を含む10部門にノミネートされた。美術賞と衣装デザイン賞を受賞したが、今回の後編では主要部門での受賞も現実味を帯びている。

「夢のような妄想」が現実になった瞬間

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プレミアのステージで、プロデューサーのマーク・プラットはこう語った。「まるで故郷に帰ってきたような気分だ。皆さんもご存じのとおり、”家ほどすばらしい場所はない”。この『ウィキッド』シリーズという家は、想像力と才能、技術、そして人間性に満ちた映画作家の心によって、ひとつひとつレンガを積み上げるように築かれた」

続いて登壇したジョン・M・チュウ監督の言葉は「ときには、とても大きなものを作ろうとしたり、これまで以上に大きな夢を見ようとすると孤独を感じることもある。でも、さきほど”イエロー・ブリック・ロード”の上で、シンシアとアリアナとジョニーと腕を組んだとき、私たちの”夢のような妄想”が、とても現実的なものに感じられた。この映画を皆さんと共有できることを本当に幸せに思う」と言葉を残している。

前作で放送映画批評家協会賞の監督賞を受賞したチュウ監督だが、アカデミー賞では監督賞候補に入らなかった。当時、授賞式で「この調子でオスカーも取るぞ!」とジョークを飛ばして会場を沸かせていたが、今回こそその夢が現実になるかもしれない。

北米では記録的な興行収入を予測

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ハリウッドでは、『ウィキッド 永遠の約束』(2026)が前作を上回る大ヒットになると見られている。前作は昨年の感謝祭連休前に公開され、オープニング週末で1億1,200万ドルを売り上げたが、後編は1億5,000万ドル前後、日本円にして約230億円のデビューになるという予測もある。

この強気な予測の背景にあるのは、前作の満足度の高さだ。シネマスコア社による観客調査ではA評価を獲得し、もともとミュージカル劇のコアなファン層に加え、親に連れられた子供たちにも人気が広がった。ちょっとした社会現象になったと言っていい。

重要なのは、これが「前作がヒットしたから作られた続編」ではないということだ。もともとひとつの物語だったものを2部構成にしているため、感情的なクライマックスがあるのは必然である。『ロード・オブ・ザ・リング』が最終章でアカデミー賞作品賞を受賞したように、『ウィキッド』も同じ道をたどるのではないかという期待がある。

キャストの魅力と日本語吹き替え版への期待

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『ウィキッド ふたりの魔女』のキャストは、まさに完璧な布陣だった。シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデという、ブロードウェイ級の歌唱力を持つふたりが中心にいるからこそ、この物語は成立する。さらには、ジョナサン・ベイリー(『ブリジャートン家』)のフィエロ、ジェフ・ゴールドブラムのオズの魔法使い、ミシェル・ヨーのマダム・モリブルと、脇を固める陣容も豪華だ。

日本では劇場公開時に字幕版と吹き替え版の両方が上映されるが、日本語吹き替えキャストの発表も待たれるところだ。ミュージカル映画の吹き替えは、歌唱力と演技力の両方が求められるだけに、どのような配役になるのか注目が集まる。

『ウィキッド 永遠の約束』日本での公開にも期待

ここしばらく、ハリウッドは大ヒットに恵まれていない。1億ドルデビューは7月25日公開の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)以来ひとつもなく、それですら黄金期のマーベル作品には及ばなかった。

そんな中、最高の声を持つふたりの女性が率いるこの映画は、世界に大興奮をもたらすことができるのか。北米では11月21日に公開され、すぐに答えが出る。

日本での公開は2026年3月を予定している。それまでの間、『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)を見返して物語の世界に浸るのもいいだろう。前作の細部にちりばめられた伏線や、キャラクターの心理描写を改めて確認しておくと、後編をより深く楽しめるはずだ。

現在『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)は、日本ではDVDやブルーレイでの購入、もしくは『amazon prime』などの配信サービスでのレンタルが視聴方法となる。

チュウ監督が語った「夢のような妄想」が完全な形で現実になる日まで、あと数カ月だ。

 

coming soon・・・

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