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日本人ハリウッド女優4人の挑戦|菊地凛子・アンナサワイらが切り拓いた成功への道
日本からハリウッドへと飛び立ち、世界の第一線で活躍する日本人女優たち。彼女たちは言語の壁や文化の違い、さらにはアジア人俳優に対する固定観念といった数々の障壁を乗り越えて今日まで活躍を続けてきた。
本稿では、それぞれ異なるアプローチでハリウッドへの道を切り拓いた4人の女優に焦点を当て、キャリアの原点や転機、そして彼女たちを突き動かした原動力を紐解いていく。
菊地凛子
49年ぶりのアカデミー賞ノミネートを勝ち取った執念
菊地凛子は、2006年公開の映画『バベル』で、日本人女優として49年ぶりとなる米アカデミー賞助演女優賞ノミネートという快挙を成し遂げた日本を代表する俳優だ。
しかし、その栄光の裏には、約1年に及ぶ過酷なオーディションの日々があった。同作で監督を務めたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは、撮影開始後も理想の女優を探し続け、菊地を何度もオーディションに呼び続けたという。
14歳で原宿でスカウトされ、モデルとしてキャリアをスタートさせた菊地。キャリアの早い段階で「このままでは自分の中にある大切なものを失ってしまう」と感じ、映画への道を志すようになった。
『バベル』で演じたのは、聾唖(ろうあ)の女子高生という極めて難度の高い役柄。菊池はオーディション期間中に手話を学び、聾学校に通い、そして聴覚障害を持ったの友人たちと交流を重ねながら役作りに没頭した。
その努力を積み重ねるなか、役を手にしたのはなんと撮影開始の約1週間前だったと明かされている。
誰の目から見ても異例のキャスティングだったが、菊地は当時の状況を次のように振り返っている。
「その積み重ねがあったからこそ、撮影現場では言葉を超えたレベルで意思疎通が可能になった」
セリフのない役でアカデミー賞にノミネートされた史上4人目の俳優となった菊池の挑戦は、日本人俳優の可能性を世界に示す象徴的な瞬間として語り継がれている。
忽那 汐里
日豪バイリンガルという武器でマーベル作品へ
オーストラリア生まれ、日本育ちの忽那汐里は、英語と日本語を自在に操るバイリンガルとして独自の立ち位置を築いてきた。
14歳で美少女コンテストに参加したことをきっかけに芸能界入り、日本で約10年間ドラマや映画を中心に経験を積んだ後、2017年から本格的にアメリカでの作品に挑戦している。
2018年公開の『デッドプール2』では、マーベル作品のキャラクターであるユキオ役に大抜擢。日本での豊富なキャリアがあった一方で、英語での演技は約10年ぶりだったという。
さらに、2024年には『デッドプール&ウルヴァリン』で再びユキオ役を演じたほか、Apple TV+のSFドラマ『インベージョン』ではミツキ役を好演。オーストラリアで育ったバックグラウンドが、彼女の国際的なキャリアの礎となっているのは間違いないだろう。
また、忽那は自身が英語を話せる環境にあったことを「大きな幸運」と捉え、海外進出を目指す日本人俳優に対しては「まずは基礎的な英会話から始めることが大切」と助言している。
確かに忽那はバイリンガル女優として知られているが、自身のキャリアの軸足を海外へと移したその行動力と勇気は、決して言語能力だけで測れるものではない。
彼女の歩みは、多くの俳優にとって『行動力』と『地道な継続』こそが道を切り拓く鍵であることを示している。
アンナ・サワイ
J-POPアイドルから史上初のエミー賞受賞女優へ
他の女優たちとは少し異なる軌跡を描いてきたのが、アンナ・サワイである。
2009年の映画『ニンジャ・アサシン』に子役として出演した後、所属事務所の方針により音楽活動に軸足を移し、2013年からJ-POPガールズグループ「FAKY」のリードボーカルとして活動を開始した。
しかし、2018年にグループを脱退し俳優業に専念することを決意。
すると、『ニンジャ・アサシン』での演技を観たタレントマネージャーから直接声がかかり、2021年の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』でエル役を獲得した。
その後は、アクション女優としてのイメージに固定されることを避けるため、作品選びには慎重だったとメディアを通して語っている。
最近では、2024年のFXドラマ『SHOGUN 将軍』で殿村マリコ役を熱演。プライムタイム・エミー賞ドラマ部門主演女優賞を受賞し、日本人として史上初の快挙を達成した。
さらに2025年にはゴールデングローブ賞も受賞し、海外メディアの『Variety』誌は彼女の演技を「21世紀最高峰のテレビパフォーマンスの一つ」と評している。今最も勢いに乗っている日本人女優のひとりと言えるだろう。
祐真キキ
100回以上のオーディションを経て掴んだ主役
中学生の頃からアメリカの映画やドラマに憧れ、決して諦めない姿勢を貫いてきたのが祐真キキ。
どうしても海外での活躍を望んでいた祐真は、高校在学中に1年間の留学を通して英語を習得。卒業後すぐに渡米せず、21歳で演技を学べるアップスアカデミーに入学してスキルを磨いた。
当時は、アルバイトを掛け持ちしながら週3回の演技レッスンと殺陣の稽古に励んでいたという。
そして「演技を学ぶならニューヨーク、仕事を探すならロサンゼルスがいい」という助言を受け、23歳で単身LAへ。
コネも十分な演技経験もなく、英語もネイティブレベルではないという厳しい状況の中で、彼女は100回以上のオーディションを受け続けていた。
そして、転機となったのはYouTubeに公開した殺陣のデモリール。これがNBCのドラマ『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』制作陣の目に留まり、主要キャラクターのミコ・オオトモ役に抜擢された。
その出演を皮切りに、Netflixドラマ『ロスト・イン・スペース』(2018)、SFドラマ『ウエストワールド』(2018)などに出演し、ハリウッドで確かなキャリアを築いている。
彼女の成功は、才能に加えて、粘り強さと自らチャンスを掴み取る行動力によってもたらされたものであるに違いない。
4人が切り拓く未来への道筋
この4人に共通しているのは、それぞれが独自の方法で道を切り拓き、後に続く日本人俳優たちに新たな可能性を示している点である。
菊地凛子は圧倒的な執念でアカデミー賞への扉を開き、忽那 汐里はバイリンガルという強みを武器にマーベル作品へ進出した。
また、アンナ・サワイはアイドルから女優への転身でエミー賞受賞を果たし、祐真キキは100回を超える挑戦の積み重ねが夢を現実に変えることを証明してみせた。
ハリウッドは世界中の俳優が憧れる場所であり、決して容易な場所ではない。しかし彼女たちの歩みは、準備と粘り強さ、そして自分自身の強みを正しく理解していれば、言葉や文化の壁さえも乗り越えられることを教えてくれる。
4人の女優が歩んだキャリアの軌跡は、海外進出を志す俳優にとって確かな指針となっている。




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