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AIハリウッド俳優の衝撃…キャメロンとディカプリオが語る映画制作の未来とは?

AIハリウッド俳優の衝撃…キャメロンとディカプリオが語る映画制作の未来とは?

AIがハリウッド映画制作にもたらす波紋が、今や業界全体を揺るがす大きな論争となっている。

2025年から2026年にかけて、AIで生成された俳優の登場やAI技術を活用した映画制作の可能性が現実のものとなり、多くのハリウッドスターや監督たちが相次いで声を上げた。

特に注目を集めているのが、世界初のAI女優とされるティリー・ノーウッドの存在だ。本記事では、ジェームズ・キャメロンやレオナルド・ディカプリオといった著名人の意見を踏まえながら、AI映画制作の未来について考察する。

ジェームズ・キャメロンが示す強烈な危機感

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『アバター』シリーズや『タイタニック』で知られるジェームズ・キャメロン監督は、AIが俳優に取って代わる可能性を「恐ろしい(horrifying)」と表現し、強い危機感を示している。

2025年11月にCBS Sunday Morningのインタビューで、キャメロンは生成AIについて「テキストプロンプトから俳優や演技を生成できる技術は、私たちが目指すものとは正反対だ」と述べた。

さらに、12月には中国・海南島映画祭で「私はAIだけでの映画制作をやらない」と明言するなど、アルゴリズムによって人間の俳優を置き換えることに強く反対する姿勢を示している。

キャメロンがこれほど強く反発する理由は、彼が俳優との共同作業を何よりも大切にしているからだろう。

実際に別のインタビューでは「機械に私が誇りを持っている仕事を奪わせたくない。俳優を置き換えたいとは思わないし、彼らと協働することが好きなんだ」と、生身の人間が演じた作品が大切であることを主張していた。

その一方で、キャメロンはAIがVFXコストの削減に役立つツールとしての価値は認めており、完全にAIを否定しているわけではない。

彼が懸念するのは、AIが創造的な表現の核心である人間の演技そのものを代替することへの危惧である。

実は、Stability AIの取締役でもあるキャメロン。AI技術自体には理解を示しつつも、人間のアートを「神聖なもの(sacred)」として守る立場を明確にしている。

レオナルド・ディカプリオが語る『人間性の欠如』

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アカデミー賞俳優のレオナルド・ディカプリオも、AI技術に対して慎重な見解を示している。

2025年12月、Time誌のインタビューにおいてディカプリオは、AIを「強化のためのツール」として認めつつも、「それは決してアートにはなり得ない」と断言した。

その理由として、ディカプリオは「人間性(humanity)がないから」とはっきりと述べている。

一方で、キャメロンと同様、AIそのものを全面的に否定しているわけではない。

ディカプリオは「AIは若手の映画製作者にとって、これまでにない表現を生み出すための強力なツールになり得る」と語り、その可能性の大きさにも理解を示している。

実際、マイケル・ジャクソンとザ・ウィークエンドの楽曲を組み合わせたAI生成のマッシュアップを「素晴らしい」と評価したこともある。

ただし、そうした作品は一時的に話題を集めた後、やがて「インターネットのゴミの海に消えていく」とも指摘した。

ディカプリオの主張の核心にあるのは、熟練した専門家がAIによって職を失うことへの懸念であり、同時に、真のアートには人間の経験や感情が欠かせないという確固たる信念だろう。

AI女優ティリー・ノーウッドが巻き起こした波紋

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2025年9月、ハリウッド界に衝撃が走った。

イギリスのParticle 6 Productionsが開発したAI女優ティリー・ノーウッドが、ハリウッドのエージェントや幹部から実際の契約交渉を受けていることが明らかになったのだ。

創設者のエリーン・ヴァン・デル・ヴェルデンは、Xicoiaというタレントスタジオを通じてティリーを「次のスカーレット・ヨハンソンやナタリー・ポートマンのようなスター」として売り込んでいると語った。

ティリー・ノーウッドは10種類の異なるAIプログラムを組み合わせて制作されており、泣く、笑う、複数のジャンルでセリフを演じるといった映像が公開されている。

完璧な肌、対称的な顔立ち、そして休日ゼロという「理想的な」特性を持つとされるが、実在しない100%AIの存在だ。しかし、この動きは全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)から即座に強い批判を受けた。

SAG-AFTRAは公式声明で「ティリー・ノーウッドは俳優ではない。それは無数のプロの俳優の作品を、許可も報酬もなく学習したコンピュータープログラムが生成したキャラクターだ」と断じた。

さらに「人生経験もなく、感情もなく、観客は人間の経験から切り離されたコンピューター生成コンテンツを見ることに興味を示していない」と指摘し、AIによる俳優の代替が「盗まれた演技を使って俳優の仕事を奪い、人間の芸術性の価値を下げる問題を生み出す」と警鐘を鳴らしている。

ティリー・ノーウッドの登場は、まさにAI技術が単なる議論の対象から、具体的な脅威として認識される転換点となったと言える。

ハリウッド全体に広がるAI議論

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ティリー・ノーウッドへの反発は、SAG-AFTRAだけでなく多くの俳優からも表明された。

メラ・ウィルソン、トニ・コレット、ルーク・ゲイジ、ニコラス・アレクサンダー・チャベスといった著名俳優たちが、ティリーの契約に反対の声を上げている。

この背景には、2023年のSAG-AFTRAストライキでAI規制が主要な争点となった経験がある。

現在、SAG-AFTRAと映画テレビ製作者連盟(AMPTP)の間で結ばれた合意では、制作者がAIによるデジタルレプリカを作成する際、事前に俳優から明確かつ明示的な同意を得ることが求められている。また、デジタルレプリカが使用された場合には、俳優に正当な報酬を支払う義務も課された。

とはいえ、契約書における細かな文言の解釈や、同意が事実上強制される可能性については、なお懸念の声が残っている。

ギレルモ・デル・トロやセリーヌ・ソン、ドゥニ・ヴィルヌーヴといった映画界で高く評価される監督たちも、AIは映画制作において本質的な役割を果たすべきではないと批判的な立場を示している。

その一方で、視覚効果の補助や制作工程の効率化といった限定的な用途においては、AI技術を活用しようとする動きも広がっており、業界内の意見が大きく分かれている現状が浮かび上がる。

AI映画制作の未来をどう捉えるべきか

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AIによる映画制作は、確かに俳優の立場からすれば厳しい現実だ。

仕事を奪われる恐怖、自分の肖像権が無断で使われる不安、そして何よりも自分の存在価値が問われる危機感は、決して軽視できるものではない。

しかし同時に、AIが映画を完全に奪い去ることも考えにくい。

それは、観客が映画に求めるものの本質は、作品の綺麗さや技術的完成度だけではないからだ。

生身の人間が演じることで、観客は心を動かされる。

俳優の表情、声のトーン、身体の動き、その全てに込められた人間としての経験と感情に、私たちは共感し、自分自身を投影する。

この感情移入のプロセスこそが、映画体験の核心である。

ジェームズ・キャメロンが「演技を目の当たりにし、アーティストがリアルタイムで創造する様子を見ることが、ますます尊重されるようになるだろう」と語ったように、AI技術が進化すればするほど、人間による生の表現の価値は相対的に高まる可能性さえある。

したがって、AI映画とヒューマン映画は、完全に別物のジャンルとして共存できるのではないか。

映画芸術の本質を見つめ直す歴史的な転換点

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AI技術が開く新しい表現の可能性を追求する作品と、人間の演技を中心に据えた伝統的な映画制作は、異なる鑑賞体験を提供する別の芸術形式として発展していくべきだ。

ただし、その前提として著作権や肖像権の線引きを明確にすることは絶対に必要である。俳優の同意なくデジタルレプリカを作成したり、過去の演技データを無断で学習に使用したりすることは、断固として防がなければならない。

AI映画の登場は避けられない潮流だが、それが人間の創造性を完全に代替することはないだろう。

むしろ、この技術的変革は、映画における「人間らしさ」とは何かを改めて問い直す機会となる。

キャメロンやディカプリオが主張するように、真の芸術には人間性が不可欠であり、その価値は技術の進歩によって脅かされるどころか、むしろ再認識されていくはずだ。

ハリウッドが今直面しているのは、単なる技術革新ではなく、映画芸術の本質を見つめ直す歴史的な転換点なのである。

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