ハリウッドがゴジラを手がけ始めてから四半世紀以上が経過した現代。今では複数のシリーズが存在し、それぞれの作品が、異なる魅力を持っている。1998年の賛否両論を呼んだ作品から、2014年以降の『モンスターヴァース』シリーズ、そして日本の山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』まで、ゴジラの世界は想像以上に広がりを見せているのだ。
本記事では、ハリウッド版ゴジラの全作品を時系列で整理し、各作品の特徴や関連フィギュア情報までを解説していく。ゴジラファンはもちろん、これから観始める初心者の人にも参考していただきたい。
映画『ゴジラ-1.0』が切り開いた新時代
2023年に公開された山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、ゴジラ映画の歴史に新たな1ページを刻んだ作品だ。この映画は厳密にはハリウッド製作ではなく東宝による純日本製作だが、海外市場での大成功により、ハリウッドとの新たな協業の可能性を示唆している。
『ゴジラ-1.0』は戦後日本を舞台に、ゼロから再出発しようとする国民の前に突如として現れたゴジラの脅威を描いた作品である。山崎貴監督は本作で、CGを駆使しながらも人間ドラマに重点を置き、戦争の傷跡を抱えた人々の葛藤と再生を丁寧に描き出した。興行収入は国内外で60億円を突破し、日本アカデミー賞でも最優秀作品賞を含む8部門を受賞するという快挙を成し遂げている。
さらに注目すべきは、本作が第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞したことだ。これは日本のゴジラ映画として初めての快挙であり、限られた予算ながらもハリウッド大作に匹敵する映像クオリティを実現したスタッフの技術力が世界的に評価された証といえる。
『ゴジラ-0.0』の可能性と山崎貴監督の次なる展開
『ゴジラ-1.0』の大成功を受けて、2025年11月3日、東京ドームシティホールで開催された「ゴジラ・フェス2025」にて、山崎貴監督による新作映画『ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)』が正式発表された。アカデミー賞を制した前作の続編にあたる本作だが、タイトル以外の詳細は一切明かされておらず、早くもファンの間で憶測が広がっている状況だ。
公開されたティザー映像では、『ゴジラ-1.0』のタイトルがフェードアウトし、「-0.0」の文字が浮かび上がる演出が映し出された。この「マイナスゼロ」という謎めいたタイトルが何を意味するのか? リブート作品なのか、それとも前作の前日譚を描くのか、あるいは完全なゼロ地点からの再創造を暗示しているのか。前作が”再生と破壊”をテーマにしていたことを考えると、さらに深い意味が込められている可能性が高い。
山崎貴監督はこれまでもVFX技術を駆使した作品で知られており、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』など、昭和という時代背景を丁寧に描いてきた実績がある。そうした監督の作風を考えれば、『ゴジラ-0.0』でもまた戦後日本の知られざる側面に光を当てる可能性が高いだろう。公開日やキャスト、ストーリーなどの詳細は今後の発表を待つことになるが、前作を超える作品への期待は高まるばかりだ。
2025年11月3日
『ゴジラ-0.0』タイトル発表
会場となったゴジラ・フェス2025での様子をお届け!#ゴジラマイナスゼロ #ゴジラ #Godzilla pic.twitter.com/mwD3YeQOUM— 『ゴジラ-0.0』【公式】 (@g_minus_zero) November 4, 2025
ハリウッド版ゴジラシリーズ一覧と作品解説
ハリウッドで製作されたゴジラ作品は、大きく分けて3つの系統に分類できる。1998年の独立作品、2014年から続く『モンスターヴァース』シリーズ、そして東宝との協業作品だ。ここでは各作品を公開順に紹介しながら、それぞれの特徴と魅力を掘り下げていこう。
『GODZILLA』(1998年)|賛否を呼んだハリウッド初挑戦
ハリウッド版ゴジラの歴史は、1998年にローランド・エメリッヒ監督が手がけた『GODZILLA』から始まった。この作品はトライスター・ピクチャーズと東宝が提携して製作した、初のハリウッド製ゴジラ映画である。
しかし、この作品は公開当時から「ひどい」という厳しい評価を受けることになった。最大の批判点は、ゴジラのデザインと性格が従来のイメージから大きく逸脱していた点だ。従来のゴジラが持つ圧倒的な存在感や威厳は影を潜め、代わりに登場したのは素早く動き回り、軍の攻撃から逃げ惑う巨大トカゲのような生物だった。体型も細身で、日本のファンが愛してきたずんぐりとした体格とはまったく異なっていた。
興行的には北米で1億3600万ドルを記録したが、製作費1億3000万ドルを考えると期待外れの結果だった。日本での評価も芳しくなく、東宝は後にこの作品のゴジラを公式には「ジラ」という別の怪獣として区別することを決定している。それでも、ハリウッドがゴジラに挑戦した最初の試みとして、映画史における意義は決して小さくない。
『GODZILLA ゴジラ』(2014年)|モンスターヴァース始動
1998年版の失敗から16年を経て、ハリウッドは再びゴジラに挑戦した。レジェンダリー・ピクチャーズとワーナー・ブラザースが製作を手がけ、ギャレス・エドワーズ監督がメガホンを取った本作は、『モンスターヴァース』シリーズの記念すべき第1作となった。
この作品が1998年版と決定的に異なったのは、ゴジラを本来の姿で描くことに徹底的にこだわった点だ。巨大で威厳に満ちた体躯、鋭い背びれ、そして圧倒的な存在感。デザインは日本の初代ゴジラへのリスペクトに満ち溢れており、ファンの期待に応える仕上がりとなった。
興行的には世界興収5億ドルを突破する大成功を収め、続編製作が決定した。批評家からの評価も概ね好意的で、特に映像美と音響効果が高く評価されている。ただし、ゴジラの登場シーンが後半まで限定的だった点については賛否が分かれた。しかしこれは監督の意図的な演出であり、ゴジラの登場を焦らすことで観客の期待感を最大限に高める狙いがあったという。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)|怪獣大集結の饗宴
『モンスターヴァース』シリーズの第3作目となる本作は、2019年に公開された。監督はマイケル・ドハティが担当し、前作から5年後の世界を舞台に、複数の怪獣が一堂に会する壮大なスペクタクルが展開される。
本作の最大の見どころは、ゴジラ以外の東宝怪獣たちの登場だ。キングギドラ、モスラ、ラドンという日本のゴジラ映画でお馴染みの怪獣たちがハリウッド版として再デザインされ、スクリーンを所狭しと暴れ回る。特にキングギドラは三つの頭を持つ黄金の龍として描かれ、ゴジラの宿敵にふさわしい威圧感を放っている。
日本版リブートシリーズとしては第34作目に位置づけられており、東宝の正式な承認を得た作品だ。興行収入は世界で3億8600万ドルと前作には及ばなかったものの、怪獣映画としての完成度は高く、特にVFXとアクションシーンは圧巻の仕上がりとなっている。伊福部昭が作曲したオリジナルのゴジラテーマを現代風にアレンジした音楽も、ファンの心を掴んだ。
『ゴジラvsコング』(2021年)|頂上決戦の行方
『モンスターヴァース』の第4作は、2021年に公開された『ゴジラvsコング』だ。タイトルが示す通り、本作ではゴジラとキングコングという2大怪獣が激突する。監督はアダム・ウィンガードが務め、パンデミックの影響で劇場公開と同時にHBO Maxでも配信されるという異例の形態を取った。
本作の魅力は何といっても、ゴジラとコングの肉弾戦だ。香港の高層ビル群を舞台にした夜景の中での戦闘シーンは、ネオンの光が反射する中で両者が激突する様子が美しくも激しく描かれている。コングは俊敏性と知能を活かした戦い方をし、ゴジラは圧倒的な火力と耐久力で応戦する。それぞれの特性を活かした戦闘描写は見応え十分だ。
興行的にはパンデミック下にも関わらず世界興収4億7000万ドルを記録し、2021年の最大ヒット作の一つとなった。批評家の評価も概ね好意的で、娯楽大作としての完成度の高さが評価されている。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024年)|最新作が描く新展開
『モンスターヴァース』の第5作目となる最新作は、2024年3月に全世界で公開された。前作『ゴジラvsコング』で敵対関係にあった両者が、今度は共闘して新たな脅威に立ち向かうという設定だ。監督は前作に引き続きアダム・ウィンガードが担当している。
本作では地球空洞世界がさらに掘り下げられ、そこに潜む未知のタイタンたちが次々と登場する。特に注目されたのが、オレンジ色の毛並みを持つ新種のコング族や、氷を操る新怪獣の存在だ。ゴジラとコングは互いの縄張りを尊重しながらも、共通の敵に対しては協力関係を築いていく。
興行的には公開から2週間で世界興収3億ドルを突破し、シリーズの人気が衰えていないことを証明した。日本でも公開初週末に興収7億円を記録し、前作を上回るスタートを切っている。批評家からは「純粋な怪獣エンターテインメント」として肯定的に受け止められ、深く考えずに楽しめる作品として評価されている。
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ハリウッドでも人気のゴジラフィギュア|コレクター必見アイテム
ハリウッド版ゴジラの人気に伴い、関連フィギュアも数多くリリースされている。ここでは特に注目すべきメーカーとアイテムを紹介する。
NECAは、ハリウッド版ゴジラのフィギュアで最も有名なメーカーだ。2014年版以降の「モンスターヴァース」シリーズのゴジラを精密に再現したフィギュアを次々とリリースしており、サイズも6インチから24インチまで幅広く展開している。特に12インチの「Head to Tail」シリーズは、細部まで作り込まれた造形と可動性の高さで人気を集めている。価格帯は3000円から1万円程度と手頃で、入門用としても最適だ。
バンダイ スピリッツの「S.H.MonsterArts」シリーズは、日本のハイエンドフィギュアブランドとして知られている。ハリウッド版ゴジラについても、2014年版から最新作まで忠実に立体化している。可動範囲が広く、様々なポーズを再現できるため、ディスプレイの自由度が高い。価格は8000円から2万円程度と高めだが、その品質は価格に見合ったものだ。
エクスプラスの大型スタチューシリーズは、コレクターの間で高い評価を得ている。30cm級の大型サイズで、精密な塗装と重厚感のある造形が特徴だ。特に2014年版ゴジラの咆哮ポーズを再現したスタチューは圧巻の存在感を放っている。価格は3万円以上と高額だが、部屋のシンボル的な存在になること間違いなしだ。
海外メーカーのプライム1スタジオは、超大型のスタチューを製作していることで知られている。60cmを超えるサイズのゴジラフィギュアは、もはや芸術作品の域に達している。LEDで発光するギミックを搭載したモデルもあり、暗闇で光る姿は幻想的だ。ただし価格は10万円を超えるため、本格的なコレクター向けといえる。
ハリウッド版ゴジラの魅力を堪能しよう
ハリウッド版ゴジラの世界は、1998年の試行錯誤から始まり、2014年以降の『モンスターヴァース』で大きく花開いた。各作品はそれぞれ異なる魅力を持ちながらも、共通しているのは圧倒的なスケール感と最新VFX技術による映像美だ。
2024年の『ゴジラxコング 新たなる帝国』が示したように、このシリーズはまだまだ進化を続けている。そして山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』の成功が、日本とハリウッドの新たな協業の可能性を広げた今、『ゴジラ-0.0』のような続編プロジェクトへの期待も高まっている。
ゴジラの世界は深く、そして広い。フィギュアも含めて、あなただけの楽しみ方を見つけてほしい。



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