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業界人が厳選…! アン・ハサウェイの名演技で名作となったおすすめ映画10選

アン・ハサウェイ

映画『プラダを着た悪魔2』(2026)の公開を控えるアン・ハサウェイ。伝説となった名作の続編公開が迫るなか、再び大きな話題となっている彼女。本記事では、そんなハリウッドを牽引してきたアン・ハサウェイが出演した名作を厳選していく。

アン・ハサウェイという女優の魅力

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アン・ハサウェイは1982年11月12日生まれ、現在42歳の女優である。身長は173cmで、ニューヨーク州ブルックリン出身。2001年の映画デビュー作『プリティ・プリンセス』から20年以上にわたって第一線で活躍し続けているハリウッドを代表する女優の一人といえる。プライベートでは2012年に俳優のアダム・シュルマンと結婚し、2人の息子の母でもある。

アン・ハサウェイの最大の武器は、その圧倒的な演技の幅広さにある。可憐なプリンセスから冷徹な悪女、心に傷を抱えた母親まで、どんな役柄も自分のものにしてしまう変幻自在さは、まさに天性の才能だろう。

加えて、彼女の歌唱力も特筆すべき点だ。2012年のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』では、生歌での収録という過酷な挑戦に見事応え、アカデミー助演女優賞を受賞している。母親が舞台女優だったこともあり、幼少期から培われた表現力の豊かさが、彼女の演技に深みを与えているのかもしれない。

また、20代の頃から現在まで、年齢を重ねるごとに美しさと存在感を増していく様子も見逃せない。若い頃のフレッシュな魅力と、現在の成熟した美しさ、その両方を堪能できるのがアン・ハサウェイ作品の醍醐味といえよう。

『プリティ・プリンセス』(2001年)―デビュー作にして転機となった作品

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アン・ハサウェイを語る上で絶対に外せないのが、彼女の映画デビュー作となった『プリティ・プリンセス』だ。この作品で彼女は、18歳にしてスクリーンデビューを飾り、一躍注目を浴びることとなった。

サンフランシスコに住む冴えない女子高生ミアは、ある日突然、ヨーロッパの小国ジェノヴィアのプリンセスであることを告げられる。祖母である女王クラリス役をジュリー・アンドリュースが演じ、彼女からプリンセスとしての教育を受けることになるというシンデレラストーリーだ。

本作でのアン・ハサウェイは、デビュー作とは思えないほど堂々とした演技を披露している。最初は眼鏡をかけた地味な女子高生として登場するが、プリンセス教育を受けるにつれて次第に垢抜けていく姿は、観る者を魅了せずにはいられない。特に、パーティーシーンで階段を降りてくる姿は、まさに本物のプリンセスのような気品と華やかさに満ちていた。

『プリティ・プリンセス』を手がけたゲイリー・マーシャル監督は、『プリティ・ウーマン』など数々のヒット作を世に送り出してきた名匠である。彼の手腕により、ティーン向けのコメディでありながら、大人も楽しめる上質な作品に仕上がっているのが特徴だ。

この作品は続編『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』も製作されており、ミアが成長して国を治める覚悟を決めるまでの物語が描かれている。両作品を通して観ることで、若き日のアン・ハサウェイの魅力を存分に味わえるだろう。

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『プラダを着た悪魔』(2006年)―キャリアを決定づけた代表作

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『プラダを着た悪魔』(2006)は、間違いなくアン・ハサウェイの代表作であり、彼女を世界的スターへと押し上げた作品だ。20年近く経った今でも、ファッション業界で働く女性たちのバイブル的存在として語り継がれている。

ジャーナリスト志望のアンドレアは、一流ファッション誌『ランウェイ』の編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタントとして採用される。しかし、ファッションに無関心だった彼女を待っていたのは、「悪魔」と恐れられる鬼編集長からの24時間体制の理不尽な指示と、想像を絶する試練だった。

本作でメリル・ストリープが演じるミランダは、映画史に残る圧倒的な存在感を放っている。一方、アン・ハサウェイは次第にファッションに目覚め、内面も外見も変容していくアンドレアを見事に演じきった。特に、地味だった彼女がおしゃれに変身していく過程は、観ているだけでワクワクさせられる。

当初、アン・ハサウェイはアンドレア役の9番目の候補者だったという裏側も。どうしても役を手に入れたかった彼女は、製作陣が通る庭に「私をキャスティングして」と書いてアピールしたというエピソードが残っている。この諦めない精神こそが、彼女を今日のスターに押し上げた原動力なのかもしれない。

そして、2026年5月1日、約20年ぶりとなる続編『プラダを着た悪魔2』(2026)が日米同時公開されることが決定した。アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、エミリー・ブラントら主要キャストが続投することも発表されており、雑誌業界の衰退という現代的なテーマを背景に、アンドレアとミランダが再び出会う物語が描かれる予定だ。

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『ダークナイト ライジング』(2012年)―新境地を開いたアクション作品

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クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』三部作の完結編となる本作で、アン・ハサウェイは女怪盗キャットウーマン/セリーナ・カイル役に挑戦した。これまでのキュートなイメージとは一線を画す、セクシーでミステリアスな役柄は、彼女のキャリアにおける大きな転換点となった。

本作でのキャットウーマンは、ボディラインが一目で分かる黒いボディスーツを着用し、華麗なアクションを披露する。アン・ハサウェイはこの役のために徹底的な肉体改造を行い、マーシャルアーツをマスターして、ハイキックなどの難易度の高いアクションシーンをほぼ全て自身で演じきった。

実は、撮影の裏では相当な苦労があったという。ボディスーツは彼女のウエストサイズより5cm小さく、常に全身を締め付けられる状態だった。「一日が終わる頃には苦しかった。特にバットポッドに乗るシーンでは前傾姿勢でお尻を突き出すから、すごく締め付けが強くて下着を着けるのも嫌になるほどだった」と後にインタビューで語っている。

映画公開前、一部のファンからは「顔が可愛らし過ぎてキャットウーマンに向いていない」という批判もあった。しかし蓋を開けてみれば、彼女の演技力と役柄への献身的な姿勢が高く評価され、それまでのイメージを完全に覆すことに成功したのだ。バットマンのライバルでありながら恋人にもなるという難しい役どころを、見事に演じ分けた手腕は称賛に値する。

この作品を通じて、アン・ハサウェイは「可愛い女優」から「演技の幅を持つ実力派女優」へと進化を遂げた。アクション映画ファンはもちろん、彼女の新たな一面を見たい方には必見の作品だ。

『レ・ミゼラブル』(2012年)―アカデミー賞受賞の名演技

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2012年は、アン・ハサウェイにとっては飛躍の年となった。『ダークナイト ライジング』に続いて公開された『レ・ミゼラブル』(2021)で、彼女は悲劇のヒロイン、ファンティーヌを演じ、第85回アカデミー賞助演女優賞を見事受賞した。

本作は、ヴィクトル・ユゴーの名作小説を基にしたミュージカル映画。ジャン・バルジャンを演じるヒュー・ジャックマン、ジャベール警部役のラッセル・クロウなど、超豪華キャストが集結した一大プロジェクトだった。

アン・ハサウェイが演じたファンティーヌは、娘を養うために身を売る悲劇の母親だ。彼女が歌う「夢やぶれて」のシーンは、映画史に残る圧巻の名場面となった。特筆すべきは、本作が吹き替えなしの生歌での収録に挑戦したという点。通常のミュージカル映画では事前に録音した歌に合わせて演技をするが、トム・フーパー監督はリアリティを追求するため、撮影現場での生歌収録を選択した。

そして役作りのために、アン・ハサウェイは11キロ以上の減量を敢行。さらに、髪をショートヘアにカットするシーンも実際に撮影中に行われるなど、カメラの前で長い髪を切り落とされる姿には、女性としての尊厳を失っていくファンティーヌの悲しみが生々しく表現されていた。

『インターステラー』(2014年)―SF大作で見せた新たな魅力

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『ダークナイト』三部作に続き、クリストファー・ノーラン監督とタッグを組んだSF大作『インターステラー』(2014)。本作でアン・ハサウェイは、宇宙科学者アメリア・ブランド役を演じた。

舞台は荒廃した近未来の地球。元エンジニアで農夫のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、謎のメッセージに導かれ、人類の新たな居住地を探す宇宙探査ミッションに参加することになる。アメリアはその探査チームの一員として、クーパーと共に未知の惑星へと向かうのだ。

本作は、米理論物理学者キップ・ソーンの理論を基に、ワームホールや相対性理論といった難解な科学理論を織り交ぜた壮大な物語となっている。アン・ハサウェイは、冷静沈着な科学者でありながら、愛する人への想いを秘めた女性という複雑な役柄を見事に演じきった。

特に印象的なのは、終盤で彼女が「愛」について語るシーンだ。科学的根拠を重んじる科学者が、それでも愛という目に見えない力の存在を信じる姿には、人間の本質的な部分が表現されていた。このシーンは賛否両論を呼んだが、冷徹なSF映画に人間味を加える重要な要素となっている。

ノーラン監督作品には珍しく、本作では感情的な側面が強調されており、アン・ハサウェイの演技がその一翼を担っている。約169分という長尺の作品だが、彼女の存在感が物語に深みを与えており、最後まで飽きることなく観られる仕上がりだ。

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『マイ・インターン』(2015年)―大人の女性の輝きを描いた傑作

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ナンシー・マイヤーズ監督による『マイ・インターン』(2015)は、アン・ハサウェイの魅力が存分に発揮された作品。本作で彼女は、ファッション系スタートアップ企業の若き女性社長ジュールズを演じている。

仕事もプライベートも完璧にこなそうとするキャリアウーマンのジュールズだが、実は様々な悩みを抱えていた。そんな彼女のもとに、シニア・インターン・プログラムで70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)が配属される。最初は戸惑っていたジュールズだが、ベンの温かい人柄と豊富な人生経験に支えられ、次第に心を開いていく。

本作の見どころは、世代を超えた友情と、働く女性のリアルな姿を描いた点にある。アン・ハサウェイは、仕事に情熱を注ぎながらも、家庭との両立に悩む現代女性を等身大で演じた。特に、夫が専業主夫となることで生じる夫婦間の微妙な距離感や、キャリアと家庭の選択に迫られる葛藤は、多くの働く女性の共感を呼んだ。

また、ロバート・デ・ニーロとの共演も本作の大きな魅力だろう。二人の年齢差は40歳近くあるが、その世代間ギャップがむしろ作品に深みを与えている。ベンの優しさと落ち着きが、せわしない現代社会に生きるジュールズの心を癒していく過程は、観ている側も温かい気持ちにさせられる。

実はアン・ハサウェイにとって、ナンシー・マイヤーズ監督と仕事をすることは長年の夢だった。マイヤーズ監督の映画のオーディションを受けたのは本作で3回目だったという。念願叶っての出演だけあって、彼女の演技には特別な熱がこもっている。

『マイ・インターン』は、制作費350万ドルに対して1億9400万ドルの配給収入を記録する大ヒット作となった。仕事に悩む人、人生の岐路に立つ人、すべての人に勇気を与えてくれる一作だ。

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『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(2011年)―切なくも美しい恋物語

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『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(2011)は、デヴィッド・ニコルズのベストセラー小説を映画化した作品。アン・ハサウェイは、真面目な女性エマを演じ、イギリス英語での演技に初挑戦している。

物語は、大学卒業式の日に出会ったエマとデクスター(ジム・スタージェス)の23年間を追う。毎年7月15日だけを切り取り、二人の人生の変化と関係性の移り変わりを描くという独特な構成が特徴だ。お互いに惹かれ合いながらも、タイミングが合わずすれ違い続ける二人の姿は、観る者の胸を締め付ける。

本作でアン・ハサウェイは、大学生から30代後半までの女性を演じ分けている。若い頃の初々しさから、キャリアを積んで洗練されていく過程、そして円熟した大人の女性へと変化していく様子を、繊細に表現した。特に自分の人生を生き、次第に自信をつけていくエマの成長物語は、多くの女性の共感を呼んだ。

監督を務めたのは、『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ。彼女の繊細な演出により、原作の持つ文学的な雰囲気を損なうことなく、映像化に成功している。

23年という長い時間の流れの中で変わるものと変わらないもの。この作品は、人生における愛の意味を問いかける。ロマンティックな映画が好きな方には、ぜひ観てほしい一作だ。

『ラブ&ドラッグ』(2010年)―大胆な演技に挑戦した問題作

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ジェイク・ギレンホールと共演した『ラブ&ドラッグ』(2010)は、アン・ハサウェイがこれまでにない大胆な演技に挑戦した作品だ。本作で彼女は、若年性パーキンソン病を患うマギーを演じ、ゴールデングローブ賞にノミネートされている。

プレイボーイの製薬会社セールスマンのジェイミー(ジェイク・ギレンホール)は、マギーと出会い「体だけの関係」を約束に付き合い始める。しかし、次第にジェイミーはマギーに特別な感情を抱くようになっていく。一方、病気と向き合いながら生きるマギーは、他人に依存することを拒み、自立した生き方を貫こうとする。

本作の見どころは、二人が自分らしさを見つけていく過程だ。アン・ハサウェイは、病気を抱えながらも自由奔放に生きるマギーの姿を、大胆かつ繊細に演じた。ベッドシーンが多いセクシーな作品でもあるため、鑑賞する際は一緒に観る相手を選ぶ必要があるかもしれない。

実は、ジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイの共演は、2005年の『ブロークバック・マウンテン』以来2度目となる。前作では控えめな役柄だった彼女が、本作では一転して大胆な演技に挑戦しており、その変化を楽しむことができる。

パーキンソン病という難しいテーマを扱いながらも、愛とユーモアを織り交ぜた本作は、深刻になりすぎず観やすい仕上がりとなっている。アン・ハサウェイの新たな魅力を発見できる作品だ。

『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)―ファンタジーの世界で見せた美しさ

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ティム・バートン監督による『アリス・イン・ワンダーランド』(2021)は、ルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」を基にした完全オリジナルストーリーのファンタジー超大作だ。本作でアン・ハサウェイは、白の女王ミラーナという神秘的な役柄に挑戦している。

19歳に成長したアリス(ミア・ワシコウスカ)は、白うさぎを追いかけて穴に落ち、不思議の国「アンダーランド」へと迷い込む。そこで彼女を待っていたのは、マッドハッター(ジョニー・デップ)や赤の女王、そして白の女王といった摩訶不思議なキャラクターたちだった。アリスは暴君である赤の女王の支配を終わらせる救世主として期待されるが、果たして彼女はその運命を受け入れることができるのか。

アン・ハサウェイが演じた白の女王ミラーナは、赤の女王の妹で、アンダーランドの住人たちから慕われる優しく穏やかな統治者だ。真っ白な肌に赤い唇、そして奇抜なファッションを身につけた彼女のビジュアルは、観る者に強烈な印象を与える。実は、ティム・バートン監督がプロジェクトに参加する以前、アン・ハサウェイは主人公アリス役の候補だったという。しかし過去の役柄と似ているためにアリス役は断り、代わりに白の女王という個性的な役を引き受けたのだ。

本作は全世界で10億ドルを超える興行収入を記録する大ヒット作となり、2016年には続編『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』も製作された。続編でもアン・ハサウェイは白の女王役を続投。ちなみに、日本語吹き替えを担当した深田恭子は「またこの白の女王の役を頂けて、とてもありがたい気持ちになりました」とコメントしている。

ティム・バートン監督特有のダークでファンタジックな世界観の中で、アン・ハサウェイは神秘的な美しさと不思議な魅力を放っている。ファンタジー映画が好きな方、そして彼女の新たな一面を見たい方には、ぜひ観てほしい作品だ。

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『モダン・ラブ~今日もNYの街角で~』(2019年)―心に響くドラマシリーズ

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本作は映画ではなく、Amazonプライムビデオで配信されているドラマシリーズだが、アン・ハサウェイの演技を語る上で外せない作品が『モダン・ラブ~今日もNYの街角で~』だ。本作は、ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム「Modern Love」に投稿された実話を基にしたオムニバスドラマである。

アン・ハサウェイが出演するのは第3話『ありのままの私を受け入れて』。彼女は双極性障害(躁うつ病)を抱える弁護士レキシーを演じている。ハイテンションな状態で早朝のスーパーに現れたレキシーは、そこで理想の男性ジェフに出会う。ミュージカルテイストで描かれるこのシーンは、まるでブロードウェイの舞台を観ているかのような華やかさだ。

しかし、再会したデートの日、レキシーは別人のように陰鬱とした表情で現れる。あまりの変化に、ジェフは「もしかして双子?」と聞くほどだ。この作品では、双極性障害という病気を抱えながら生きる女性のリアルな日常が描かれている。

アン・ハサウェイは、躁状態と鬱状態を行き来するレキシーの心情を、表情や仕草の細かな変化で見事に表現した。明るく振る舞う姿の裏に潜む不安や孤独、そして自分をありのまま受け入れてほしいという切実な願いが、彼女の演技から伝わってくる。

各話約30分、全8話のコンパクトなシリーズなので、映画を観る時間がない時にも気軽に楽しめる。アン・ハサウェイの新たな一面を知りたい方に、ぜひおすすめしたい作品だ。

 

coming soon・・・

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