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かわいいだけじゃない…エル・ファニング出演映画10選!注目女優の代表作とは

エル・ファニング【Getty Images】

ハリウッドの若手女優のなかで最も影響力のある俳優のひとりとして、現在世界中から注目を集めているエル・ファニング。子役時代から演技の才能を発揮し、姉のダコタ・ファニングとともにハリウッドで活躍してきた。誰もが知る超大作から作家性の高いインディペンデント作品まで、幅広いジャンルで多彩な演技を披露し、映画ファンを魅了し続けている。

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エル・ファニングの魅力とは?

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エル・ファニングの魅力は、その圧倒的な表現力の幅広さにある。繊細で儚げな少女役から、力強く野心的なキャラクターまで、どんな役柄も自分のものにしてしまう演技力は、まさに天性のものといえるだろう。さらに、彼女の美しい容姿と独特のオーラは多くのファンを魅了してやまない。

また、子役として早くからキャリアをスタートさせた彼女は、成長とともに役柄の幅を広げ、現在では若手を代表する実力派女優として確固たる地位を築いている。以下では、そんなエル・ファニングの軌跡を、彼女が出演した代表的な10作品とともに振り返っていく。

『プレデター:バッドランド』アンドロイド役で新境地を開拓

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2025年11月7日に世界同時公開される最新作『プレデター:バッドランド』(2025)は、エル・ファニングの新たな一面を見せる注目作。本作では、これまでの『プレデター』シリーズとは異なり、”狩られる側”となった若きプレデターが主人公となる斬新な設定が採用されている。

ファニングが演じるのは、プレデターの協力者として登場するアンドロイド役だ。このキャラクターは下半身を失っているという設定でありながら、神秘的な存在感を放つ役どころとなっている。これまでの彼女の出演作とは一線を画す挑戦的な役柄であり、CGIや特殊効果を駆使した演技が求められる難役だ。

しかしながら、エル・ファニングはこの特異なキャラクターに命を吹き込み、観客に強烈な印象を残すことに成功した。人間でもプレデターでもない、”機械”という存在を通して、生命や存在意義といった哲学的なテーマに迫る彼女の演技は、新たなキャリアの転換点となるだろう。

『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』ボブ・ディランの若き日を描いた伝記ドラマ

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2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディラン。その若き日を描いた伝記ドラマ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2025)は、エル・ファニングにとって代表作のひとつとなった。

『デューン/砂の惑星』(2021)や『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)で知られるティモシー・シャラメが主演を務める本作で、ファニングは初期の恋人として知られるスージー・ロトロに着想を得た架空の人物、シルヴィ・ルッソで出演。この役柄は、ディランの音楽的、感情的な成長に寄り添う重要な女性像として描かれている。

特筆すべきは、シャラメとの豊かな化学反応でだろう。ふたりの繊細な演技の掛け合いによって、若き詩人の内面的な葛藤が見事に引き出されている。ファニングは、ディランという天才芸術家を支え、時に対峙する複雑な女性像を、深みのある演技で表現した。その演技力は高く評価され、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で助演女優賞に輝いている。

実際のところ、この作品におけるファニングの演技は、彼女のキャリアにおいて新たな段階に入ったことを示すものといえる。単なる若手女優ではなく、確かな演技力を持つ実力派として、業界内での評価を確固たるものにした作品である。

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『SUPER 8/スーパーエイト』 注目を集めるきっかけとなった作品

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のJ・J・エイブラムス監督が、スティーブン・スピルバーグをプロデューサーに迎えて製作したSF大作『SUPER 8/スーパーエイト』(2011)は、エル・ファニングがハリウッドで注目を集めるきっかけとなった重要な作品である。本作は『未知との遭遇』など、初期のスピルバーグ作品にリスペクトを捧げて製作されており、1970年代のノスタルジックな雰囲気が漂う名作だ。

物語は1979年、米空軍がネバダ・エリア51の一部を閉鎖するところから始まる。あるものをオハイオの施設に輸送しようとするが、貨物列車が脱線事故を起こし、そのなかから何かがうごめきだす。8ミリカメラで映画製作をしていた少年少女たちが事故現場に遭遇し、エリア51をめぐる謎に巻き込まれていくというストーリーだ。

ファニングは主人公の初恋相手であるアリスを好演している。ゾンビ映画を撮影中に特殊メイクではしゃぐ無邪気さを見せる一方で、父親が抱える飲酒トラブルに対して痛みや弱さを吐露する繊細な演技も披露している。このように、彼女は子役でありながら、すでに高度な演技力を持ち合わせていたのである。

とりわけ印象的なのは、少年少女たちの純粋な友情と初恋を描くシーンで。ファニングの自然体な演技が、宇宙人をめぐるSF作品に深みを与える重要な役割を果たしている。本作での彼女の演技は、エル ファニング 子役時代の代表的なパフォーマンスとして、今も多くの映画ファンの記憶に残っている。

『マレフィセント』ディズニー実写映画でオーロラ姫役

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1959年製作のディズニーアニメの名作『眠れる森の美女』を、邪悪な妖精・マレフィセントの視点から描いた実写映画『マレフィセント』(2014)は、エル ファニング ディズニー作品の代表作として広く知られている。アンジェリーナ・ジョリーが主演し、マレフィセント役を務めたことでも話題となった本作は、アニメでは語られなかったマレフィセントとオーロラ姫の間にある隠された物語を明らかにする意欲作である。

ファニングが演じたオーロラ姫は、呪いを受けたピュアな王女として登場。明るく純真なキャラクターを、笑顔と柔らかな声で表現した彼女の演技は、多くの観客の心を捉えた。その美しさと優雅さがディズニープリンセス、シンデレラのイメージにぴったりと合致している。

さらに、本作の核心は、疑似母娘ともいうべきマレフィセントとオーロラの複雑な絆にある。ファニングは、呪いをかけた相手に心を開いていく繊細な心情の変化を見事に表現。ジョリーとの共演シーンでは、年齢差を超えた深い絆が画面から伝わってくる。

その一方で、続編『マレフィセント2』(2019)では、精神的にさらに成長したオーロラを演じている。王女としての責任と、マレフィセントへの愛情の間で揺れ動く複雑な役柄を、より成熟した演技で表現した。本作は現在ディズニープラスで配信中だ。エル ファニングが出演している映画やテレビ番組を探している視聴者にとっては必見の作品だろう。

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『SOMEWHERE』ソフィア・コッポラ監督との出会い

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『ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア・コッポラ監督が、スター御用達の有名ホテルを舞台に製作した『SOMEWHERE』(2010)は、エル・ファニングのキャリアにおいて重要な転機となった作品である。コッポラ監督は、父フランシス・フォード・コッポラとの思い出や、2児の母となった自らの経験を投影してこの作品を製作した。

当時わずか11歳だったファニングは、ハリウッド俳優のジョニー・マルコ(スティーブン・ドーフ)の娘・クレオを演じた。その自然体な演技で、孤独と疎外感を描いた静かな物語の感情的な核心を担っている。派手さを好まないコッポラ監督との相性も良く、父親との何気ない会話や一緒に過ごすシーンで見せる飾り気のない笑顔や視線が、クレオの純粋さや父親への愛情を表現している。

実のところ、本作はエル ファニングが子役としての才能を世界に知らしめた作品だろう。セリフの少ない静謐な作品において、表情や仕草だけで感情を伝える演技は、子役とは思えない成熟したものだった。ホテルのプールサイドで父親を待つシーンや、一緒にイタリアを訪れるシーンでの彼女の演技は、多くの批評家から絶賛された。

『幸せへのキセキ』(2011) – マット・デイモンとの共演

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『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウ監督が、英国人ジャーナリスト、ベンジャミン・ミーの回顧録を映画化した『幸せへのキセキ』(2011)は、心温まる家族の物語。本作もディズニープラスで配信中であり、多くの視聴者に感動を届けている。

妻を亡くし半年が経つベンジャミン(マット・デイモン)は、新天地で閉鎖中の動物園があることを知ると、ある思いを胸に動物園の再オープンを目指す決意をする。ファニングは、飼育係で現場のリーダーであるケリー・フォスター(スカーレット・ヨハンソン)の従妹で、動物公園で働く少女、リリー・ミシュカを演じている。

彼女が演じたリリーは、ベンジャミンの息子・ディラン(コリン・フォード)に惹かれ、孤独な彼を支える重要な役どころ。作品がもつ明るく前向きなメッセージを体現し、短い出演シーンのなかで観客に癒しを届けている。特に、動物たちの世話をしながらディランと会話するシーンでは、自然体な演技が光った。

出演時間は決して長くないものの、ファニングの存在感は際立っている。若い世代の希望や純粋さを体現する彼女の演技が、作品全体に爽やかな風を吹き込んでいるようだ。

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『Virginia/ヴァージニア』フランシス・フォード・コッポラ監督のゴシックミステリー

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フランシス・フォード・コッポラ監督が、推理小説の大家エドガー・アラン・ポーをモチーフに描くゴシックミステリー『Virginia/ヴァージニア』(2011)は、エル・ファニングの演技の幅を示す重要な作品。小説家の男・ボルティモア(バル・キルマー)が呪われた街を訪れる数日前、身元不明の少女が胸に杭を打たれ殺されていたという、ダークで謎めいた物語だ。

ファニングが演じる「V.」は、主人公を幻惑の世界に導く重要な役どころ。小説家の創作意欲を刺激し、ストーリーテリングの原動力となる存在として描かれている。純粋さと不気味さをたたえたファニングの演技は、現実と幻想の橋渡しともいうべき役割を果たしている。

作品が描く”闇”をより深化させる彼女の存在感は圧巻。作家性が強い作品においても、特別な存在感を放つファニングの演技は、コッポラ監督をはじめとする名匠たちから高く評価されている。ゴシックホラーという特殊なジャンルにおいて、彼女は若くして確かな演技力を発揮した。

『アバウト・レイ 16歳の決断』(トランスジェンダーの主人公を演じた意欲作

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身も心も男性として生きたいと告白し、そのためにホルモン治療と法的性別変更を望む16歳のレイ。彼女とその家族の絆と葛藤を描いたヒューマンドラマ『アバウト・レイ 16歳の決断』(2015)は、エル・ファニングが社会的に重要なテーマに取り組んだ意欲作である。

ファニングは、トランスジェンダーの主人公レイを演じるにあたり、徹底的な役作りに取り組んだ。「女の子として生まれた体」と「男の子として生きたい心」のギャップを、身体的アプローチはもちろん、繊細な感情レイヤーで表現している。家族を演じるナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンとの共演シーンでは、家族間の複雑な感情の機微を見事に演じ分けている。

また、本作はLGBTQ+の若者たちが直面する困難を描くと同時に、家族の愛と絆の物語でもある。ファニングの繊細かつ力強い演技が、観客の心に深く訴えかけ、多くの人々に勇気と希望を与えた印象深い作品のひとつだろう。

『ネオン・デーモン』究極の美を追求するファッション業界を描く

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『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、究極の美を追求するファッション業界に渦巻く欲望と狂気を、スタイリッシュな映像美で描いたサスペンススリラー『ネオン・デーモン』(2016)。

ファニング演じる16歳のジェシーは、トップモデルを夢見て故郷の田舎町からロサンゼルスに移住する。人を惹きつける天性の魅力で、すぐに一流デザイナーや有名カメラマンの目に留まり、順調なキャリアを歩み始める。しかし、嫉妬心を抱くライバルたちは彼女を引きずり降ろそうと数々の罠を仕掛け、ジェシーもまた自分でも気付かずにいた異常なまでの内なる野心に目覚めていく。

本作において、ファニングはモデルという職業の光と影を体現している。彼女の美しさは作品の重要な要素であり、レフン監督の独特な映像美学と相まって、観る者を魅了する。特に、ファッションショーのシーンやフォトシュートのシーンでは、彼女の存在感が画面を支配していた。

それでいて、ジェシーの内面に潜む闇を表現する演技も印象的だ。純粋な少女から、野心に取り憑かれた存在へと変貌していく過程を、繊細かつ大胆に演じている。レフン監督の挑戦的な演出に応えた彼女の演技は、賛否両論を呼びながらも強烈な印象を残した。

『メアリーの総て』「フランケンシュタイン」作者の半生を描く

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ゴシック小説の名作『フランケンシュタイン』の作者であるイギリス人女性、メアリー・シェリーの半生を映画化した『メアリーの総て』(2017)は、エル・ファニングの知的な演技が光る作品だ。19世紀のイギリス、小説家を夢見る少女・メアリーは、妻子ある詩人・パーシー(ダグラス・ブース)と出会い、互いの才能に惹かれあう。

やがて情熱に身を任せて駆け落ちするが、メアリーは数々の悲劇に見舞われる。失意のなかにあったメアリーは、詩人・バイロン卿(トム・スターリッジ)の別荘で「みんなでひとつずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ちかけられ、そこから『フランケンシュタイン』が生まれることになる。

ファニングは、読書や執筆に没頭する内向的な知性を見事に表現した。同時に、衝動的な恋愛に走る感情の起伏をダイナミックに演じてみせた。文学史に名を残す女性作家の複雑な人間性を、多層的に表現する彼女の演技は、批評家からも高い評価を受けている。

本作はエル・ファニングが知的で複雑な役柄にも挑戦できることを示した作品だろう。時代劇という特殊なジャンルにおいても、彼女の演技力は遺憾なく発揮されている。

エル・ファニングの今後に期待

誰もが知る超大作から作家性の高いインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず質の高い演技を披露してきたファニング。ディズニー作品でプリンセスを演じる一方で、社会的なテーマに挑戦する作品にも出演し、その演技の振れ幅はもはやスターの領域だ。

今後も、彼女はさらなる高みを目指して挑戦を続けていくだろう。最新作『プレデター:バッドランド』(2025)での新境地開拓に見られるように、常に自身の可能性を広げ続ける姿勢は、これからも変わることはない。エル・ファニングという稀有な才能が、今後どのような作品で私たちを魅了してくれるのか、期待は高まるばかりである。

 

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