近年、50代で英語を学び直したいと考える人が増えています。多くの方が「もう遅いのでは?」と不安を抱えながらも、海外旅行をもっと楽しみたい、定年後の時間を有効に使いたい、仕事で必要に迫られているなど、理由はさまざまです。
結論からお伝えすると、50代からでも英語学習は十分に可能です。むしろ、これまでの人生経験や知識が、英語学習を効率的に進める上で大きな武器となります。
本記事では、オンライン英会話の専門家として、50代からでも無理なく始められる英語学習のおすすめ方法とツールを解説します。
メモ
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50代からの英語学習は目的に合わせて「独学・アプリ・オンライン英会話」を組み合わせると効果的。
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初心者でも取り組みやすい教材や無料アプリが多数あり、継続の工夫がカギ。
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「やり直し学習」には、中学レベルの基礎文法とリスニングを押さえることが上達への近道。
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英語を学ぶことで旅行や仕事の幅が広がり、人生後半の新しい可能性が生まれる。
50代からの英語学習でおすすめの方法とは?
50代からの英会話 独学で始める基礎づくり
50代からの英語学習は、まず独学で基礎を固めることから始めるのがおすすめです。
なぜなら、学生時代に習った文法や単語の知識を思い出すことで、その後の学習効率が格段に上がるからです。多くの人が英語の学習方法で最初に悩むポイントは、「何から手をつけるべきか」でしょう。
この世代の方々は、学校で英文法や英単語の基礎を学んでいる経験があります。つまり、まったくのゼロから始めるわけではないのです。たとえば、中学1年生から3年生までの英語の教科書や、文法に特化した薄い参考書を1冊用意してみましょう。
これらの教材を1日15分でもいいので、継続して読み進めることが重要です。
実際、文部科学省が発表している「平成30年度英語教育改善のための英語力調査」でも、英語の基礎知識がコミュニケーション能力の基盤であることが示されています。
50代独学の基礎づくりチェックリスト
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目標設定: 1週間で文法参考書を10ページ進める、など具体的な目標を立てる
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教材選び: 中学英語の文法書や単語帳、NHKラジオ講座など、基礎的なものを選ぶ
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学習時間: 1日15〜30分と短時間でも毎日継続する
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アウトプット: 学んだフレーズを声に出して練習する
50歳から英語ペラペラは可能? 現実的な目標設定
50歳から英語を始めて「ペラペラ」になることは可能です。しかし、ここで言う「ペラペラ」が、ネイティブスピーカーと同じレベルの流暢さを意味するなら、それは非現実的かもしれません。
重要なのは、あなたにとっての現実的な目標を設定すること。
多くの50代の方々の学習目的は、海外旅行で困らないレベル、仕事で簡単なメールをやりとりできるレベル、趣味として洋画や洋楽を字幕なしで楽しむレベルなど、様々でしょう。
これらはいずれも、数年間の継続的な学習で十分達成可能な目標です。
例えば、TOEICのスコアで言えば、現在の平均スコアが400点台であれば、まず600点を目指すといった具体的な数値目標を立てることも有効です。
TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の公式データによると、TOEIC公開テストの平均スコアは常に変動していますが、一般的に600点以上あれば、基本的なビジネスコミュニケーションが可能とされています。
また、旅行が目的であれば、ガイドブックに載っているような簡単な挨拶や道案内のフレーズを完璧にマスターすることを目指しましょう。
こうした小さな目標をクリアしていくことが、モチベーションの維持につながります。大きな目標だけでは、途中で挫折してしまう可能性が高まります。
50代の英会話初心者に向けた効率的なステップ
英語学習初心者の50代の方が効率的に学習を進めるためには、正しいステップを踏むことが不可欠です。
まず、インプット(知識を蓄えること)とアウトプット(実際に使うこと)のバランスを意識しましょう。
多くの日本人が学生時代に文法や単語のインプットはしてきたものの、実際に話す練習、つまりアウトプットの機会が少なかったために、会話に苦手意識を持つ傾向があります。
具体的な学習ステップとしては、最初に中学レベルの文法と単語を学び直すインプット期間を設けます。
この段階では、NHKラジオ英会話や市販の参考書を活用して基礎を固めます。
次に、学んだ知識を実際に使うアウトプットの練習です。ここで役立つのが、オンライン英会話や英会話アプリ。
オンライン英会話のマンツーマンレッスンでは、講師との会話を通じて、学んだ表現をすぐに試すことができます。
例えば、テキストで「I'd like to reserve a table for two.(2名でテーブルを予約したいです)」というフレーズを学んだら、次のレッスンで講師とのロールプレイ形式で実際に使ってみるのです。
この実践的な練習を繰り返すことで、知識が「使えるスキル」へと変わっていきます。独学と実践を組み合わせるのが、効果的な上達への近道です。
50代の英語勉強に役立つツールと学び方
50歳からの英会話 アプリ無料で手軽にスタート
50代の英語学習に、スマートフォンアプリは非常に便利なツールです。
なぜなら、時間や場所を選ばずに、自分のペースで手軽に学習を進められるからです。多くのアプリは無料で始められるため、お試し感覚で気軽にチャレンジできます。
例えば、DuolingoやCakeといった人気の無料アプリは、ゲーム感覚で楽しく単語やリスニングの練習ができる便利なアプリの一つ。
特にDuolingoは、日々の学習時間を記録する機能があり、継続のモチベーション維持に役立ちます。
また、Cakeは映画やドラマのワンシーンを使った実践的なフレーズを学べるため、リアルな会話表現に触れる機会が増えます。
これらのアプリを効果的に活用する方法は、1日10分から15分程度のスキマ時間を有効活用することです。
例えば、通勤電車の中や家事の合間、就寝前の数分間など、無理のない範囲で継続することが重要です。
また、アプリの中にはAIを活用した発音練習機能を持つものも多く、日本人が苦手とする「L」と「R」の区別などをAIが正確にフィードバックしてくれる機能は、発音の向上に役立ちます。
アラフィフの英語勉強ブログで学ぶ仲間の体験談
50代で英語を勉強する際、同じ世代の仲間がどのように学習を進めているか知ることは、大きな励みになります。
この世代の多くの人が利用しているブログやSNSには、リアルな英語学習の体験談やおすすめの勉強法、挫折を乗り越えたエピソードなどが数多く掲載されています。
例えば、定年後に海外移住を目指して英語を学び始めた方や、趣味で映画を字幕なしで見るために独学で頑張っている方のブログは、非常に参考になりますよ。
これらのブログを読むメリットは、成功事例だけでなく、失敗談や挫折しそうになった時の対処法など、共感できる情報が多いことです。
また、具体的な勉強法や使っている教材のレビューも豊富です。
例えば、Amazonで人気の「キクタン」シリーズの活用法や、NHKのラジオ講座を毎日継続するコツなど、実践的な情報が得られます。ブログの読者同士がコメント欄で交流する機会もあり、学習仲間を見つけることも可能です。
一人で黙々と勉強するよりも、同じ目標を持つ仲間とつながることで、モチベーションを維持しやすくなります。
50代のやり直し英語を成功させるポイント
基礎文法とリスニングを中心に再学習
50代からの英語のやり直し学習では、中学レベルの基礎文法とリスニングに重点を置くことが最も効果的です。
なぜなら、多くの日本人が英語を話せない理由は、高度な単語や文法を知らないことではなく、簡単な文を正確に組み立てられないことと、相手の言葉を聞き取れないことにあるからです。
複雑な単語や表現を覚える前に、まずは基本の「5文型」や「時制」を確実に理解し、使えるようにすることが大切です。
基礎文法を固める方法
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教材の活用: 中学生向けの薄い文法参考書を1冊、繰り返し解く。
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例文暗記: 文法事項を理解したら、必ず例文を丸ごと暗記する。
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アウトプット: 覚えた例文を音読したり、オンライン英会話で使ってみる。
リスニング力向上には、毎日少しずつでも英語の音声に触れる習慣をつけましょう。
例えば、NHKラジオ講座の音声、海外のニュース、お気に入りの洋画など、興味のあるテーマの素材から始めるのがおすすめです。
イギリスのケンブリッジ大学の研究でも、継続的なリスニング練習が脳の言語処理能力を高めることが報告されています。無理にすべてを聞き取ろうとせず、まずは全体の雰囲気やキーワードを掴む練習から始めると、挫折しにくくなります。
オンライン英会話で実践力を鍛える
基礎を固めたら、オンライン英会話を始めるのが次のステップです。
なぜなら、学んだ知識を「使えるスキル」に変えるには、実際に外国人と話す練習が不可欠だからです。
オンライン英会話の最大のメリットは、時間や場所を選ばず、自分の好きな時間にレッスンを受けられることです。
また、価格も英会話教室に比べて圧倒的に安価な場合が多いです。多くのオンライン英会話サービスでは、1レッスンが25分で、料金も毎月数千円からと手頃な価格帯で提供されています。
オンライン英会話のレッスンでは、フリートークやテキストを使ったレッスン、発音矯正など、さまざまな形式の授業があります。
初心者の方は、教材に沿って進める形式のレッスンから始めると、何を話したらいいか分からなくなる心配がありません。
講師は日本語を話せないネイティブやフィリピン人講師が中心ですが、初心者向けのレッスンでは、ゆっくりと分かりやすい英語で話してくれるので安心です。
厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、英語を話せるスキルは、仕事の給与水準にも良い影響を与えることが示唆されており、実践的な英語力は人生の選択肢を広げるでしょう。
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50歳から英語を仕事に活かす方法
ビジネス英語を効率的に学ぶ教材
50代で仕事に英語を活用したいと考えるなら、ビジネス英語に特化した教材を選ぶのが最も効率的です。
ビジネス英語は日常英会話と異なり、特定の専門用語やフォーマルな表現が多く使われます。
しかし裏を返せば、必要な語彙や表現の範囲が限定されているとも言えます。まず、あなたの仕事内容に合ったビジネス英語の教材を見つけましょう。
例えば、会議でのプレゼン、メールの書き方、海外の顧客との電話対応など、具体的なシーンを想定した教材を選ぶことが重要です。
人気のビジネス英語教材としては、NHKラジオ講座の「ビジネス英語」や、Amazonでベストセラーになっている「究極のビジネス英語リスニング」などがあります。
これらの教材は、実際のビジネスシーンを想定した会話やフレーズが豊富に含まれており、非常に実践的です。
また、オンライン英会話の中には、ビジネス英語に特化したコースや、TOEIC対策に強い講師が在籍しているスクールも多いですよ。
キャリアアップや再就職に役立つ英会話力
50代で英語力を身につけることは、キャリアアップや再就職においても大きな強みとなります。
現在の日本では、グローバル化が進み、多くの企業が海外との取引や外国人社員の雇用を増やしています。
経済産業省の調査でも約7割の企業が「英語力はビジネスに必要」と回答しており、語学力は年齢に関わらず求められるスキルです。
たとえ現在の仕事で英語を直接使わなくても、英語学習を通じて得られる「新しいことを学ぶ意欲」や「異なる文化への理解」は、あなたのキャリアに新たな可能性を与えます。
再就職や転職を考えた場合、履歴書にTOEICスコアや英検の級を記載することで、採用担当者に自身の学習意欲やスキルをアピールできます。
さらに、英語力は、仕事だけでなく、海外旅行でのコミュニケーションやボランティア活動など、人生後半の選択肢を豊かにしてくれるでしょう。
50代からの英語学習のおすすめのまとめ
50代からでも英語学習は十分に可能であり、目的に合わせた学び方を選べば確実に上達します。
大切なのは、「もう遅い」と諦めずに、まずは一歩踏み出すことです。これまでの人生経験や知識は、若い世代にはないあなたの大きな強みとなります。
50代で英語学習を成功させるポイント
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独学と実践を組み合わせる: まずは独学で基礎を固め、オンライン英会話で実践的なスキルを磨く。
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目標を明確にする: 「海外旅行で困らない」「仕事でメールができる」など、具体的な目標を設定する。
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継続を意識する: 1日15分でもいいので、毎日続ける習慣をつける。
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ツールを賢く活用する: 無料アプリやYouTube、ブログなどを利用して、楽しく学習を続ける。
50代からの英語学習は、単に言語を学ぶだけでなく、人生をより豊かにする新しい趣味やスキル、そして自信につながる素晴らしいチャレンジです。
ぜひ、あなたに合った学習方法を見つけて、今日から一歩踏み出してみてください。